コンバージョン建築リサーチ・KIITO(2/2)
質量感ある建築空間とは裏腹に目的やコンセプトはフワッとしていて今一つ捉えにくい、デザインクリエイティブセンター・KIITO。実際、私がリサーチに行った日は特にイベントは行われておらず、がらんとした空間があるだけでした。
その一方で神戸ではまずまずの知名度と集客力を持っているようで、ますます訳がわからない。
もう少し詳しい情報を調べてみることにします。
・基本情報
名 称 デザイン・クリエイティブセンター神戸
所在地 651-0082 神戸市中央区小野浜町1-4
構 造 旧館:鉄筋コンクリート造 新館:鉄筋鉄骨コンクリート造
敷地面積 8,601㎡
延床面積 旧館:3,489㎡ 新館:10,290㎡
施工年 旧館:1927年 新館:1932年
設計 旧館:神戸市営繕課(清水栄二) 新館:置塩章
旧館は神戸市立生糸検査所、新館は国立生糸検査所。2008年まで独立行政法人農林水産消費技術センターが管理していました。施設の移転につき建物の保存が危ぶまれましたが、神戸市長が買収し2012年8月にデザインクリエイティブセンターとして開館しました。
現在の管理者はというと、
デザイン・クリエイティブセンター神戸(神戸市)指定管理者
iop都市文化創造研究所・ピースリーマネジメント・神戸商工貿易センター共同事業体
とのことです。神戸市ではなく、その下部の民間企業が直接の管理者のようです。通りでwebサイトや広報関係のつくりがスッキリして見やすいわけです。http://kiito.jp/
平面図もこの通り
西側の軸を振っている方が旧館で、東側が新館です。
グラフィックデザインは寄藤文平氏によるもので、建物内のサインはもちろんあらゆる広報物に使用されています。
青色の部屋はオフィスとして使われています。デザイン関係や設計事務所が多めです。
・誰が何をしているのか?
さて肝心の用途ですが、ざっくり言うとプロのデザイナーらによる神戸市民向けのワークショップやレクチャーなどで、多くは有料です。
これで組織が運営できているのか?どんな客層なのだ?という疑問はありますが、どうやら 滞りないようです。
・結論
「クリエイティブセンター」というよくわからない存在ですが、似た施設は実は関西だけでもいくつかあります。
元・立誠小学校
クリエイティブセンター大阪
どれもデザイナーやアーティストを育てる学校という訳ではなく、公民館や役所の企画のようにしょぼいわけでもない。かといって商業的になるわけでもない。本当によくわからないけどとにかく人が集まっている。
レクチャーをしたりイベントに出展するデザイナーはほとんど若手というのも気になります。なんというか都市や市民に対してというより、若手デザイナーが自分の存在をアピールする場。と言った方がしっくりくるような気がします。宣伝までセルフでこなさなければ、いいモノをつくっているだけでは食っていけない時代ということでしょうか。
結論もフワッとしてますが、キリがないのでこのへんで
(了)