下痢腹野郎に掃除させんなよ

ここんとこ小ニュースの連続やから箇条書き形式で日記書くか

 

国慶節、下痢で動けず事件

国慶節とは、10月1日から始まる中国最大の連休で、年末年始とかよりゴージャスな国民の休日である。建国記念日なんである。お盆とクリスマスが一緒にやって来たような、そんな7日間なのである!

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実弾射撃場に行ったり映画観たり本読んだり美術館行ったりするんだい!とかおもって9月末は正直仕事が全く手に着かないほど楽しみだった。
が、初日から猛烈な下痢。

30分に一回トイレに行くペースだったため、近所のコンビニへ行くので精いっぱい。すごく貧しい生活をしていましたよ。

そしてさすがにビールを控えましたよ。上海に来て以来実に半年ぶりに禁酒しました。これが辛かった。ていうか水って、マズくねえ?
こういう時は温かい野菜スープと梅おかゆで腸を元気づけたいところやけど、近所に日本で言うところのスーパーマーケットは無く、体に良いものが一切手に入らない状況で大弱り。すぐ治ると思ってたけど結局5,6日続いちゃった。山田君ゲッソリ。

 

・下痢からの自炊システム構築

野菜スープを作ろうにも鍋や器すらないってことで、国慶節最終日にイケアに行っていろいろ買ったよ。
その流れでこれまた6か月ぶりにお料理した。
大学院生時代に住んでたシェアハウスも一通りの調理器具はイケアでそろえてあれこれやってたのを思い出すぜ。収納家具やら調理器具・食器類もなんとなく当時使ってたものと同じのを選んでしまうことに戦慄したよ。ジェネリックシティを痛感。板宿も上海も一緒。
ていうかキッチンを共有してる中国人よ、掃除ぐらいしろってんだよ。汚すぎるやろボケ。何考えとんねん。下痢腹野郎に掃除させんなよ

・家賃払えない事件
そうこうしてる間に連休が明けて家賃払いシーズンが来たよ。請求額をみて計算するとどうも払えないことが分かったよ。
3か月分の光熱費ネット水代と家賃を払うんやけど全財産の総額を超えてた。俺ってこんなに浪費家だっけ?思い当たるフシが無いではないが・・
ま、なんとかなるっしょ。連休中に自宅療養してて正解だったというわけよ

国慶節中に観た/読んだもの

幼年期の終わり

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上海に来た時に持ってきたままいわゆる積ん読してたやつをやっと読了。

地球にやって来た異星人が地球をけっこう平和的に植民地支配したら・・というインディペンデンスデイとは真逆の落ち着き系地球侵略SF。
未来世界の描写がやっぱ古臭かったりするけど、知的生命体としての人類の最終的な行きつく先を示したオチは圧巻。さみしくも呑まれるしかない運命にシビれろ。

キックアス2

 

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ダメな続編。
一般人が異常な世界に踏みこんじゃった系のコメディの宿命としての続編がおもしろくないパターン。メンインブラック2もそうだった。
一般常識と異常な常識とのギャップが笑えたのに、主人公の一般人君が異常な世界の住人になっちゃったらどの部分でギャップ作るの?笑いとるの?
マザーロシアが警官相手に無双してるところみたいなシーンがもっとないとダメなのでは。

メンインブラックは3でかなり持ち直したので、やりようによっては続編に期待。

 

ロボコップ

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新しい方。これはダメな映画だ。
もはやロボコップじゃなくてもよくねえ?なんていう野暮な批判はしない。が、オリジナル版の悪趣味の悪ノリをコピーしきれてなくてギャグになってる。
ロボコップに改造されて初めて家に帰ってきたシーンとかはごっつええかんじのコントみたいに笑える。泣かなきゃいけないシーンなはずなのに。お父ちゃん、久しぶりに帰ってきたらめっちゃかっこええボディになってるけど顔面だけ前と同じ。ってギャグやん。

 

ted

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意外とおもろい。
大傑作戦争映画ローンサバイバーの主演、マークウォールバーグがここでも主演ってのが一番笑える。

 

他にも初めて応募した国際コンペの見事な敗退とか同僚が相次いで辞める宣言とか、いろいろ小ネタには尽きないけど今日のところはこの辺で勘弁しておいてやるぜ。

PCの前の良い子のみんな

先週は大学院のころの先輩がやって来たので上海観光案内してきたよ。

観光目線で上海を見たのは結構久しぶりで、こういうのもたまには良いなというかんじですよ。

浦东でやってた展示会に出展するために上海に来たのである。先輩はプロダクトデザイナーなのだ。週末でいろいろ回ったけど、住んでるとベタな観光地すぎてそんなに行かない田子坊でなかなかの時間を楽しんでくれたようなのが新鮮だったよ。

プロダクト目線って言うんでしょうか?俺だと路地空間と自然発生的な商業と今だに住んでる住人とかの関係をさらっと見て終了しちゃうところを、気になったアイテムのある店を細かくチェックして写真をバシバシ撮りつつモノの分析をしてくれたよ。

ふーんとしか思わなかったものが、分析を聞くと途端に欲しくなるのがアレだね。不思議なもんだね。俺はミーハーなのだ。

PCの前の良い子のみんなも、自分の住んでる都市を他ジャンルの人と改めて観光してみよう。いいことあるかもよ。

 

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ま、次に上海に来るときは高級ザリじゃなくてローカル屋外ザリ行きましょ。

 

 

 

 

その通りですが何か!?

先週っつーか8月はすげー疲れたってことで、兼ねてから行きたかった美術館と映画館に行ってきてやったぜ。

●美術館

上海当代艺术博物馆でやってる吉岡徳仁会場構成のCARTER TIME ART

行ってきたった。

徳仁目当てだったので時計の展示は完全にスルーしてきたよ。

しかしながら徳仁ブースが一箇所しか無くて物足りないですねえ。

安い感じのビニール質で直径2mmぐらいのヒモを垂らすだけという簡素さ&悪く言えば大雑把だけど大したもんだねえ。うらやましいフォーマットを見つけているねえ。

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大昔の話だけど、豊田市美術館石上純也展を思い出したよ。あんな神経質にならなくてもそれなりのものはできるのだなあと。石上純也展がか弱きお触り禁止の展示だったのに対し、徳仁展はビニール紐をかき分けて会場を進んでいく仕組み。プロダクト出発の展示の方がよりタフで空間的だっつーところが対比のハイライトかな。

あと会場でTOAの斉藤さんにあったよ。世界は狭いねえ。

 

量的に物足りない徳仁を見事にCai Guo-Qiangが補ってくれましたよ。

爆薬系アーティストという感じで、北京オリンピックの巨人の足跡花火をプロデュースした人だそうだよ。中国人民と切り離せない関係にある爆竹を取り入れた作品を作る作家っつーことで中国芸術界では有名なのかな。たぶん。

でかい布や陶板の上で火薬を爆発させて、その焦げで模様なり図像なりを描く感じ。しかし最も度肝を抜かれたのが下の画像の作品だぜ。

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爆薬関係ないけど美術館の床をくりぬいて墨の池を作ってる。床の上にプールを作ってるとかではなくマジに床をくりぬいてる。おまえはヴァニラアイス戦のときのポルナレフかっつーの。なんでもありかよ。

もともと工場かなんかのリノベーションでできた美術館だけども。

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●映画館

芸術は文字通り爆発だっつーことで、万博跡地にも行ってきたよ。

画像のメルセデスベンツアリーナはなんと現在映画館になっているのである。

円盤の上下がかぶさってる部分、横方向の溝になってる部分は完全に外部の回廊になってて万博会場と上海を一望できるスペースになってたよ。眺望の観点では過去一の映画館ですよこれは。

観た映画はもちろん

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エクスペンダブルズ3!!!

言わずと知れた、ハリウッドシルバー人材センターシリーズ第三作目。

全員が主役級の細けえことはいいんだよザ・ハリウッド☆アクションムービー!

シリーズ通してのコンセプトは男らしく一本!共演不可能と思われていた筋肉スターどもをスタローンの男気でどいつもこいつもまとめて同じスクリーンに出す!以上!

すこし冷静になればこんなお祭り企画がいつまでも続くわけない。そろそろこの辺で勢いがダレるのでは・・?とか思ってるそこのアホはとっとと映画館へ走れ。日本で今やってるかどうかは知らんが。

アクション映画として極めて高い水準にある構成・設定。

いろいろ省くが、大筋はこうだ。いろいろあって仲間が敵に捕らわれて救出しに行くけど、ばっちり罠にはまってさあ大変!ってのがエクスペンダブルズ3だ。

これだけだとすごく普通のよくあるアクション映画だけど、普通の映画と一カ所違うところがある。それは全員筋肉で主役級だってことだ!

つまり捕らわれたのがエクスペンダブルズ構成員だもんで、救出後に足手まといになるイライラさせる戦闘の素人がいない!仲間を解放して、罠にはまったと分かった時点がメンツ的に最強!全員戦える状態でリスタート!こんな展開、初めて!

もうこうなったら敵役・メルギブソンは死ぬだけだよ。

前作までである程度見せ場をもらったエクスペンダブルズ構成員は引き気味な配置で、初登場組にたっぷり時間を割いてるのがスタローンの懐の深さ。なかでもアントニオバンデラスは登場するすべてのシーンで笑いを取ってた。あんたそんなキャラだっけ?物足りないのは出所ネタを序盤に出してたウェズリースナイプス。アントニオバンデラスが全部持っていった感があるのでキャラ負けしちゃったのかな?サングラスかけて刀を振り回してほしかった。もしくは盗塁成功するたびに部屋の壁にグローブを打ち付けるようなメジャーリーグネタを入れてほしかった。

シュワ・ハリソンフォード・ジェットリーの使い方も絶妙。肉弾戦ではなく戦闘ヘリからの後方支援という一見地味な活躍だけど、主役が人間相手に銃撃戦をがんばってるのと同時に脇役がヘリvsヘリで空中戦を演じるというスケール感の行ったり来たりがよい。これも往年のアクション映画ではよくあるクライマックスの乱戦演出のよくある手法なんだけど、やってるのがスタローンだしシュワルツェネッガーなもんだからどっちが主役かわからねえ!これはさすがに映画史上かつてない王道!普通のことを普通じゃない人たちがやるからすごいの!

あんな激戦で全員無傷とかありえねえだろ、とかイラクで今まさに映画みたいなできごとが起きてるってのに能天気すぎだろとか、いろいろあるだろうけど全ッ然気にならねえ。なぜならエクスペンダブルズだからだッ!ハリウッド映画は爆発と筋肉ばっかでワンパターンだと思ってるやつが多いようだが、その通りですが何か!?

 

 

 

全部お前のせいだバカ野郎

構想2週間、総予算400元の巨費を投じて2日に渡って部屋の掃除をした。

悪くない家賃&立地ながら部屋が汚いのである。ていうかカビがすんごい。

そしていわゆる玄関がなく、土足の汚れを区別しないシステムでもあるので砂埃が半端ない。頭おかしいんじゃねえの。

家を探す過程でみた家賃4000元のマンションは一応土間的なスペースはあったが、ウチにはない。

ともかくカビを取ることと床を裸足で歩けるような清潔さを獲得するのが今回の目標だった。

カビを取るために参考にしたwebサイトをいくつか紹介しておく。

 

寝室の壁紙にカビが生えてしまいました。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1186128336

はなまるマーケット
http://www.leasekin-nishitokyo.co.jp/hanamaru/060221.html

壁のカビ掃除の仕方
http://okwave.jp/qa/q5436285.html

 

表面は家庭用洗剤でふき取って漂白剤で完全に根を断つという流れだが、いざスーパーに行ってもどのボトルがなんなのかさっぱりわからん。ていうか混ぜると死のガスが出る組み合わせもあるんじゃないの?いや、ある。
マイペットとかカビキラーとか、一般名詞化しているジャパン商品群が恋しい。

会社の受付嬢に通訳を頼み、イケアで掃除用具を揃え、学生時代から使っていた青白ストライプのタオルを泣く泣く雑巾にし、洗剤を含ませて壁を拭いてみるとなんということでしょう。壁表面の塗装がそのままズルリと剥げ落ちたでないか。カビの根本ごと取れてきれいになったよ。じゃねーよバカ野郎。何だコレおい。

日本の普通の住宅みたいにクロス貼りではなく、何らかのマットな塗料で仕上げてるんだけど、水分を含むと途端に崩れる謎塗料らしい。カビも、部屋に備え付けてあった日本では今や珍しい床置き型のエアコンの背部がとくにひどかった。エアコンからでる水気に壁の塗装自体が養分となってカビが繁殖したものと思われる。

ともかくゴシゴシできない拭き掃除でだましだまし壁を4面磨き上げ、さらに漂白剤をぬりこむころには夕方になっていたよ。換気が重要なので窓を開け、当然エアコンはつけてないのだがそんな日に限って超晴れ&無風で掃除作業は暑さ的な意味で限界を超えていたね。あれは。

家具をどかしつつの本格派掃き掃除の最中にベッドの下から5角硬貨がでてきたり、前住人のものと思われる中国高速鉄道の使用済み切符がでてきたりしてちょっとした宝探しだったよ。上海から南の金山というところが実家なんですかね。前の人は。全部お前のせいだバカ野郎。ビーフジャーキーを押入れにしまったまま忘れてますよ。

すげー疲れたけど家具を再配置しなきゃだし、風呂トイレの掃除は全く手つかず。来週末もこんなかんじかな。はぁ。

先週も行った焼肉屋でひとり焼肉ですよ全く。

おい主人公よ、おまえにも妻子があるだろう。

ゴジラ観てきた

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地震津波みたいなどうしようもない災害と、制御が極めて困難なテクノロジー・核をあわせて問わなければならない時代がこの3.11後の世界であって、これを映画的に体現できるのはゴジラしかいないわけで、まさに絶好のタイミングでのリブートだ!ってところに期待してたんですよ。
核実験が生み出した哀しき怪獣・ゴジラを、世界的に原発廃止核廃絶の流れの中で核大国アメリカがどうゴジラを解釈するのか!ワクワク!だったのに。

今回の映画内ではゴジラは大昔からそういう動物だったという設定で、1954年版のリメイクではないことが序盤で明らかになる・・あ、そう。ま、俺が勝手に脚本を予想してただけだからいいよいいよ。敵怪獣とかも出る?なるほどリメイクって言っても1作目以降の怪獣プロレスシリーズのリメイクなわけね。いいよいいよ!なんだかんだ言ってもゴジラシリーズの大部分のテーマは反核とかじゃなく(vsヘドラとかvsビオランテみたいに暴走する社会・科学に対する批判もあるけど)派手に都市をぶっ壊して大暴れするエンターテイメントだもんね!それを金かけたハリウッド映画でやるんだからすごいよこれは!パシフィックリムという直近の成功例もあるし!よし!いいよいいよ!

て良くねーよバカ!

怪獣プロレスにしてもいざ敵と対峙となっても戦闘シーンをあえて見せない、みたいな謎演出してんじゃねーよ。戦闘を見に来てるのにフラストレーションがたまる一方で効果や意図が全く不明だよ。せっかくハワイ出すならダイアモンドヘッドをまるごとふっ飛ばすぐらいのことをしろってんだよ。観光名所破壊はお約束なの!ゴジラの巨大さを全国の地方の子供たちに説明する意図もあるの!

だいたいなんだあの敵怪獣MUTOはよ。
弱そうじゃねーか!それもすごく!

EMPを発生させる特殊能力で周囲の電子機器を故障させる?なるほど、じゃあ米軍といわず人類の近代兵器はまるで歯がたたねーな。現代的現代的。
でもそれって生物であるゴジラには全く効かないってことじゃん!案の定ゴジラに対しては「ひっかき」「かみつき」みたいなしょぼい攻撃しかしねーでやんの!

ゴジラが負ける要素が無い!ハラハラしない!

日本のゴジラシリーズも子供向けながら練られた構成があって、プロレスでいうブックだ。

敵出現→人間軍歯が立たず→ゴジラ出現→ゴジラ敗北、一時撤退→人間軍がつなぎで奮闘するも負けそう→ゴジラ復活、火炎放射で大勝利→海へ戻るゴジラを崖っぷちで見送る人間→終

これが黄金の構成だよ。とくに中盤の「ゴジラを一度は負かすような強敵」演出が絶対に必要なんだよ。なぜなら最後はゴジラが勝つのは初めから誰でも知ってるからだ。いかにも強そうで悪そうな敵ってものが怪獣プロレスには不可欠なんだよ。
だってそうだろ?猪木が中学生のボクシング部部員と試合しても興行にならんだろがよ。確かに構成に固執するあまり様式化して結局飽きられてシリーズを終了させた側面はあるけども。
今回の敵怪獣は飛べるという能力を生かして命からがらゴジラから逃げてアメリカにたどり着くけど結局ゴジラに仕留められる。といった格好になってて、終始ゴジラ優勢のまま何の波乱もなく終わる。

正直エンターテイメント映画として(ゴジラ映画としてではなく)はエメリッヒ版の方がサービス精神旺盛だったと思うぜ。

 

次は人間ドラマパートの話だバカヤロー

15年前の原発事故(敵怪獣の活動が原因なんだけど)によって妻を亡くした夫とその息子。この息子が成長して軍人になり家族を持つようになり、怪獣活動に巻き込まれつつも家族のもとに帰るというのがざっくりした話だよ。
3.11直後の日本風に言うと絆な話ですよ。

ケンワタナベ含めその他の人は基本的に空気。核に対する認識議論も特になしでケンワタナベが時代設定上おかしいヒロシマの遺品をチラ見せする程度。(ていうかこの監督太平洋戦争がいつ終わったか知らないんじゃないか?)ほんとにチラ見せだけで、米軍の偉い人が怪獣に対しても核兵器使用は思いとどまるとかそういうの一切なし。脚本上必要ない。じゃあなぜ日本人をキャスティングして思わせぶりなカットをいれたんだよ!?日本での興行収入が不安だったからか?舐めるな!

特にハワイシーンではゴジラ上陸に伴う大津波で結構な人が死んでるはずなのに、いつのまにやら米国人にもゴジラ=人類の守護神という認識が生まれてるのもおかしい。
MUTOに家族を殺された主人公ならMUTO憎しになるのはわかるけど、ゴジラに殺された人の遺族は逆にゴジラが憎いんじゃないの?そこで人間同士の対立と和解があって人間ドラマパートに意義が出てくるんじゃないの?そういうの無いの?
現実世界でも議論されている核は悪か必要悪か、という対立構造の比喩ができる絶好のチャンスじゃないの?ゴジラがMUTOを殺してくれたら人類的にはラッキーだけど、そんなことしないかもしれないし、ゴジラも人類にとって十分脅威だよ?普通に考えて。

ともあれ、米軍がアメリカの都市に自ら核爆弾を投下するという未知への飛行ばりにショッキングな内容なはずなんだけど、これまでのハリウッド映画と同様の核に対する気軽さで残念。もっと残念なのが核爆弾でMUTOを退治するつもりが、ゴジラが爆発より先にやっつけちゃったという展開。核爆弾なんか最初からいらんかったんや。じゃあ爆発を阻止しなきゃなんだけど、せっかく主人公が米軍の爆弾処理班だってのに、核爆弾の操作パネルの蓋がひしゃげて開かない。結局サンフランシスコ沿岸で爆発。

どうしてこうも徹底的にマヌケなんだ!惜しくも運悪く的な演出はあってもいいけど、ゴジラがぶつかってきたはずみで蓋が開くとか、家族写真を見た主人公がハリウッド的火事場のクソ力でこじ開けるとか、ご都合主義でいいからそこはどうにかなってくれよ。怪獣戦闘シーンを見せない、とかこの蓋シーンとかスカッとしない場面が続いて情けない気持ちになっちゃうよ。

この映画には主人公家族ともうひとつ重要な家族が出ていて、なにかというと敵怪獣MUTOの家族なんですよ。
はじめに母MUTOが出現して、次に父MUTOが出現(この父MUTOが母MUTOより体格が小さい。自然界ではよくあることだけど映画として2回目に出す方をインパクト薄くしてどうする)。で、巣を作って卵を産む。生きものとして自然な行動なんだけど、スケールがデカすぎるから人間がちょっと困っちゃうな><。という話。

蓋シーン直前に、MUTOの巣というか孵化寸前の卵をみつける場面で、主人公が機転を利かせてその卵にガソリンをぶっかけて大爆発させるのよ。その爆発をみた母MUTOの悲鳴にも似た咆哮たるや・・。正直一番感情移入できたのはまさかのこのシーンの敵怪獣ですよ。

おい主人公よ、おまえにも妻子があるだろう。親をMUTOに殺されたのは分かるし、卵を孵化させるといよいよ手におえないのは分かるけど、あまりに鬼畜の所業じゃないですかね?少なくとも「MUTOカワイソー」って気持ちになったよ俺は。父MUTOと母MUTOのラブラブ(?)シーンも挟まってたりして。何だこれオイ。同様に卵絡みのシーンがあるエメリッヒ版では、怪獣=悪の構図がバカみたいに単純だったのでこんな気分にはならなかったんだけど。むしろそのあと怒り狂ったゴジラの追跡からイエローキャブでニューヨークを逃げ回るシーンは割とおもしろかったりする。

人間パートに某エコテロリストみたいなのも入れたら議論がグッと多様化したかもね。怪獣といえど生きもの、殺すのはいかがなものか。みたいなこと演説してるやつがゴジラに踏み殺される。とか。
核爆弾使用容認派の軍人がゴジラによる放射能汚染被害にあって、出血・脱毛等徐々に苦しみながら死ぬ。とか。
54年版のゴジラでも、核を超える兵器・酸素破壊爆弾を作った芹沢博士はゴジラと一緒に自決してんだよ。けじめはちゃんとつけるんだよ。

人間の利害など超越した存在でなきゃならないはずののゴジラが、人間に都合のいいことばかりしてるもんだから映画の軸がブレてる。物わかりのいいアメコミヒーローとは違うの!神なの!

2014年版ゴジラは日本のゴジラをわかってる本物の監督が撮ったやつだからすごい!みたいな宣伝をよく聞いたけど、これはだめだよ。日本ゴジラシリーズの中でもできの悪いやつの焼き直し程度じゃないの。映画メディアを使った社会批評としてもエンターテイメントとしても破綻してる。
ゴジラを持ってしても、日本の核認識とか人間に制御できないものが存在する世界観を欧米に伝えられていないということがよーくわかった。

一応褒めるとこは褒めといてやる。
ゴジラが映ってる場面はすべて最高。火炎放射のシーンは鳥肌モノ。はっきり言ってこれを見るためだけに映画館へ行くべき。

だが減点が多すぎた。ゴジラだけに55点。

まったく今日は

まったく今日はファッキンな日だぜ。

久々に書く日記がこんなにファッキンな内容になるとはほんとファッキンだぜ

普通はこういうときにファッキン反省したりするんだろうけどファッキン俺はそんなファッキンなことしないぜファック

ファック

とりあえず引っ越しに向けてファッキン準備したりファッキンリサーチしなきゃならんぜ。

俺はあの夜のスターになれたのに

今週はひどい目にあったので、その前の週の出来事を書く。

同期の知り合いの知り合いという、もはや俺とは無関係なのでは?というアメリカの建築系大学生たちと飲んだ。

酔うと建築の話になるのはどこも同じだったよ。

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中国がいわゆる文明開化した1920年代にも当然建築学生は存在して、外国に留学して当時の最新の建築を学んで中国に持ち帰ったそうです。明治期の日本もおなじですね。

20年代と言えばヨーロッパでモダニズムが席巻しつつある時代だったのですが、学生の留学先はみんなアメリカだったらしいです。当時のアメリカはまだボザール的建築が主流で、それを最新の様式として中国に持ち帰ったということです。

20年代から後は内戦やら世界大戦、冷戦なんかで結局モダニズムがまともに輸入されなかった(!)まま現在に至るのが中国です。

もしモダニズムが無かったら、という意外と想像もしなかったことが現実になっているというわけです。日本で同じことが起きてたら花田佳明も存在してないです。

この間書いた南京でのプロジェクトも「中華民国時代の感じで」という要求がありました。20年代の政権だった中華民国の建築様式がわかりやすいありがたそうな建築のイメージなのかな。いまだに。

確かに中国の高級マンションとか官公庁は洋風だな、と。

でもここで重要なのは、洋風と言ってもヨーロッパ風ではなく、正確にいうとヨーロッパ風アメリカ風建築(?)であるということです。

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アメリカ人大学生と飲んだのは外灘という場所の近くで、19世紀半ばから欧州列強の植民地だったけど現存している建物は20~30年代のもので、まさにな建物が並ぶ観光地です。

「ヨーロッパの古典の模倣に見えるけど、実はヨーロッパを模倣したアメリカの模倣なんだよ、これ」

ってことをアメリカ人にキチンとした英語で言えたら俺はあの夜のスターになれたのに。

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簡単に模倣とか言ってるけど、きっとアメリカボザールにも独自のロジックと様式が存在するに違いないです。知らんけど。それを持ち込んだ中国洋風建築にも独自性が細かいとこであると思います。たぶん。そういうわけで以上の文章はわりと正確性に欠く話だと思います。適当です。詳しく知ってる人がいたら教えてください。