オフィスビル建築リサーチ・大阪ステーションシティとその周辺(2/2)
「大屋根」「空中通路」「屋上緑化」という、3大建築学生が設計課題でやりがちな提案を全て実行してしまう非常にナイスな大阪ステーションシティとは、いったいどんな空間を内包しているのでしょうか。
構内から北ヤードを向いた風景です。手前がグランフロント大阪で、奥が原広司の梅田スカイビルです。
「都市に対して開きまぁ~~す!」と言わんばかりの大開口。
後ろを振り返って南側は宙に浮くスラブをめがけて長大なエスカレーターが立体あみだくじのようにかかっていきます。ここのシークエンスが非常に楽しい!左のエレベーターなんかに乗ってたらもったいないですね。
スラブに開いた丸い穴を抜けて大屋根の下に出る、というシンプルさ。
ホームの上を飛び越える連絡通路の上が大屋根の下の広場になっています。
2枚目の画像で私のシルエットが若干写っていますが、自然人工問わずとにかく光源の多いこの建築内で、光を反射したり透過したりしつつ、かつ駅という機能を果たすためはっきりと内外を区別しながらガラスの安全柵が領域を縁取っています。
大屋根は北から南に向かって流れており、つまり南側には閉じています。駅としては一応南側が中央入り口なのですがそちら側のファサードにはこの大内部空間の様子が伝わらず、あまりおもしろくありません。飲み会からの終電を逃し、夜中に雨の降る中植え込みに座ってじっと耐えた思い出があるのみです。そういえば同じ夜に曽根崎町で5千円札を拾うという最高クラスのラッキーがあったのを今おもいだしました。
オフィスビルのリサーチという宿題なのですが、オフィス棟には部外者は立ち入れずということで外観のみです。左のYYとなっている構造体の棟がオフィスです。グランフロント大阪も同じく、商業施設が入るヴォリュームの広い基壇の上にタワーをポンと置く、という形式が取られています。
外部空間だけを通ってかなりの高さまで登れるのも特徴です。
都市に対する意義や戦略的な計画などいろいろあるようですが、大きな建築はやはり良い。というところが感想です。上海ではどんな建築を体験できるでしょうか。
飛行機離陸まであと12時間で宿題を完了したいとおもいます。
(了)